代表挨拶

会員の資質を高めるための研修を推進し、教育の発展向上に寄与するとともに、会員の地位向上を図る
令和5年度全国公立学校教頭会会長吉原 勇
令和5年度全国公立学校教頭会会長の重責を担うことになりました吉原勇でございます。会長という大役が務まるか不安もありますが、会員の皆様のご支援とご協力をいただきながら、また、関係諸団体と連携を図りながら、本会の更なる発展のために微力ながら力を尽くしてまいります。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、全国公立学校教頭会と単位教頭会・副校長会は相互に緊密な協調を保ち、「会員の資質を高めるための研修を推進し、教育の発展向上に寄与するとともに、会員の地位向上を図る」ことを目的として、全国の公立小中学校の副校長・教頭約2万8千人の会員の皆様により構成されています。
その主な活動は、次の4つを柱としています。
1 研修活動の充実
2 要請活動の充実
3 組織の発展・強化
4 被災地への支援
まず、本会の中心的な活動として、全国研究大会の開催があります。令和3年度の佐賀大会は、全公教初のオンライン大会として開催。実行委員会中心に総力を挙げてオンライン環境の整備・運営方法の工夫に取り組み、大きな成果を得ることができました。大きな変革期の小さな一歩を踏み出すことができたといえます。開催にあたり、多くの皆様、関係諸機関・諸団体の皆様から多大なるご支援をいただきましたことについて、深く感謝申し上げます。
本年度は第12期全国統一研究主題「未来を生きる力を育む魅力ある学校づくり」を掲げ、まとめの3年目となります。岩手大会は、いわゆる「参集型」と「オンライン型」を併用した「ハイブリッド型」による2日間開催となりますが、研究の内容・成果を全国の会員の皆様にお届けできるよう、環境のさらなる充実を含め、綿密に準備を進めてまいります。
次に副校長・教頭の社会的地位とその職能の向上を目指すとともに、本会の職能研修団体としての政策提言能力を高めるために「全国公立学校教頭会の調査」を実施します。その結果を要請活動及び私たちの地位向上のための文部科学省の概算要求のエビデンスとしても活用してまいります。今後は、教職員の働き方改革や小学校における35人学級の段階的整備、GIGAスクール構想等についての研修を重ねるとともに、成果の検証も行う必要があると考えています。
さらに、全国公立学校教頭会の各ブロックの連携を深め、組織の円滑な運営に努めるとともに組織発展・充実のための活動を推進してまいります。そのひとつとして「オンライン環境の整備」を一層充実させます。新型コロナの流行に端を発した「新しい生活様式」が広がる中、オンライン環境を整え、ネットワークを活用しながら会議等を行ってきたことは同時に、学校多忙化や様々な対応に追われる私たち副校長・教頭にとって、大きなメリットを見出すことにも繋がり、「時間や経費をかけずに活動に参加できる」、あるいは「多くの会員が活動に参加できる」などといったプラスの効果としても認められているところです。今後の状況を注視し、「オンライン型」と「参集型」を効果的に活用しながら実施していきたいと考えています。
本年度は、東日本大震災の被災地の一つである岩手において全国研究大会が開催いたします。その経験を忘れることなく、全国各地で頻発する自然災害等による被災地への支援を継続的に行ってまいります。全公教としましては、各ブロックと連携しながら会員の皆様と情報を共有して、支援体制を強固なものにしてまいります。教育の発展向上に寄与するという目的達成のために、「支援」という角度から活動を推進してまいります。
さて、本会の活動について述べてきましたが、今、学校は、社会的に見ても大きな転換期を迎えています。「予測困難な時代にあっても、未来の創り手となるために必要な資質・能力を確実に子供たちに育むことが必要である」と言われる中、児童生徒や教職員に対して、副校長・教頭として時代に合った指導や助言ができるよう、自己研鑽に励むことは大切なことです。また、日々の校務に目を向けると、学習指導要領の改訂により、「社会に開かれた教育課程」及び「主体的・対話的で深い学び」の実現、「カリキュラム・マネジメント」の確立等に向けた取組の推進等々、学校の指導力の向上が一層求められていると同時に、初若年層への指導や研修の実施など、教職員個々の指導力の向上をも進めなければなりません。さらに、働き方改革も推進していかなければならない状況の中、副校長・教頭は、教職員の先頭に立って課題に立ち向かわなければなりません。「全公教は一つ」を合い言葉とし、目的の達成のために2万8千人の英知や研究実践を結集・共有・連携して前に進んでまいりましょう。
皆様のご支援とご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。