代表挨拶
会員の資質を高めるための研修を推進し、教育の発展向上に寄与するとともに、会員の地位向上を図る
令和6年度全国公立学校教頭会会長松野 博文
令和6年度全国公立学校教頭会会長の重責を担うことになりました松野博文です。会長という大役が務まるか不安もありますが、会員の皆様のご支援とご協力をいただきながら、また、関係諸団体と連携を図りながら、本会の更なる発展のために微力ながら力を尽くしてまいります。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、全国公立学校教頭会(以下、全公教)は、52単位教頭会・副校長会が相互に緊密な協調を保ち、「会員の資質を高めるための研修を推進し、教育の発展向上に寄与するとともに、会員の地位向上を図る」ことを目的として、全国の公立小中学校の副校長・教頭約2万8千人の会員の皆様により構成されています。
その主な活動は、次の4つを柱としています。
1 研修活動の充実
2 要請活動の充実
3 組織の発展・強化
4 被災地への支援
本会の中心的な活動として、全国研究大会の開催があります。令和5年度の石川大会は、参加形態として、いわゆる「参集型」と「オンライン型」を併用した「ハイブリッド型」の大会として開催しました。当日は直接参集された方々はもちろん、オンライン参加の方々もとても熱心な協議がなされていました。実行委員会の方々を中心に大会が開催され、充実した研修実践交流を行うことができました。安全且つ円滑に運営でき、今後の研究大会の企画・運営にも重要な教訓を得ることができたと考えています。開催にあたり、多くの皆様、関係諸機関・諸団体の皆様から多大なるご支援をいただきましたことについて、深く感謝申し上げます。
令和5年度より全国統一研究主題を新たに設定しました。第13期全国統一研究主題は、「未来を切り拓く力を育む 魅力ある学校づくり」です。キーワードは、 自立・協働・創造です。全国研究大会はもちろん、各ブロック、各単位教頭会・副校長会においても、この研究主題に基づき研究活動を進めております。今年度の高知大会も石川大会同様、会員が参加しやすい持続可能な開催方法として、「ハイブリッド型」による2日間開催で行います。研究の内容・成果を全国の会員の皆様にお届けできるよう、綿密に準備を進めてまいります。
次に副校長・教頭の社会的地位とその職能の向上を目指すとともに、本会の職能研修団体としての政策提言能力を高めるために「全国公立学校教頭会の調査」を実施します。その結果を要請活動及び私たちの地位向上のための文部科学省の概算要求のエビデンスとしても活用してまいります。今後は、喫緊の重要課題である教職員の働き方改革及び教職員の安定した配置、また少人数学級の推進や副校長・教頭マネジメント支援員等について現状を把握して理解を深め、研修を重ねるとともに成果の検証も行う必要があると考えています。
令和6年1月1日の石川県能登半島で最大震度7の揺れを観測した能登半島地震において、犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表すとともに、被災された多くの皆さま方に対しお見舞いを申し上げます。全公教でも被災されたブロック長との連絡も取り合い情報収集を行い、副校長会・教頭会へ見舞金を送金しました。また、激甚災害指定後HPへのお見舞いメッセージの掲載や災害支援義援金の呼びかけを開始しました。その後、全国の各単位副校長会・教頭会から集まった義援金を被災地の教頭会へお届けすることができました。災害発生時には予期せぬ事態になることもあります。全公教では被災地の単位教頭会・副校長会へ寄り添った支援を行ってまいります。教育の発展向上に寄与するという目的達成のために、「支援」という角度から活動を推進します。
今後もネットワークを活用しながらの会議実施は、学校多忙化や様々な対応に追われる私たち副校長・教頭にとって、大きなメリットを見出すことにも繋がります。「時間や経費をかけずに活動に参加できる」あるいは「多くの会員が活動に参加できる」などといったプラスの効果としてのオンライン会議やオンデマンド研修などを円滑に実施できるようさらに環境を整えます。そして目的に応じて「オンライン型」と「参集型」を選択し、より効率的な会議設定や実施をしていきたいと考えています。社会や教育を取りまく環境は大きく変わっています。変化に対応した新しい教育の創造が求められます。「予測困難な時代にあっても、未来の創り手となるために必要な資質・能力を確実に子供たちに育むことが必要である」と言われる中、社会における教育の重要度は増してきています。しかし、教員の働き方改革や未配置問題、学生の教員志望率低下を始めとして、教育を取り巻く環境や学校現場には、様々な課題が山積しています。また、学校の指導力の向上が一層求められていると同時に、若年層への指導や研修の実施など、教職員個々の指導力の向上をも進めなければなりません。教職員の先頭に立って課題に立ち向かわなければならない副校長・教頭は重責を担い、多忙感も増えてしまうことが心配されます。多くの課題に副校長・教頭が各学校で孤立して取り組むのではなく、情報を共有し協働して解決に取り組むことが必須であると考えます。全公教としましても、各ブロックと連携しながら会員の皆様と情報を共有して、支援体制を強固なものにしてまいります。
「全公教は一つ」を合い言葉とし、目的の達成のために2万8千人の英知や研究実践を結集・共有・連携して前に進んでまいりましょう。
皆様のご支援とご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。